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プロが教える避難はしごの使い方、構造等

2021.08.14

今回は避難はしごについて代表的なものを説明していきます。

避難はしごとは、主に一般の方が非常時に使用する設備ですが、

普段使用するものではなく、種類や使い方が様々ですので、

是非、この機会に覚えてみてください。

 

1.避難ロープ

主にアパートの2階によく設置されています。

価格が安く、小さい為、使い勝手がいいのですが、

消防法により設置できない場合もあります。

 

ケースを開けるとロープの先にカラビナ金具がありますので

ベランダ等の手すり上部に引っ掛けてから1個目の鉄の棒に金具を取り付けます。

手すりがない場合は、下記のようなコの字型の『自在金具』がついている物もあります。

この金具を、

 

写真のような腰壁にはめて固定します。(ロープは必ず外に)

後はロープを下に垂らして降りていきます。

 

 

2.折りたたみ式避難はしご

THE『避難はしご』ですね。

避難はしごの消防法の正式名称は『避難器具』ですが、

これが有名な為、一般的にはほとんどの方が『避難器具』ではなく

『避難はしご』と呼んでいます。

主に2、3階のマンション、テナント等によく設置されています。

ロープと同様に置くだけなので、後から簡単に設置する事ができ、

消防法設置でも2、3階であればほとんどの所で使用する事ができます。

上記のようにベランダが無い所でも、腰壁等にはめて使用できます。

ロープの時と同じですがコの字型の金具(自在金具)がついています。

金具を腰壁にはめてから、

はしご上部の留め金具を外します。

最初にリングを横に引っ張り、

金具が抜けたら、

上に引っ張ると留め金具が外れ、

折り畳まれているはしごが伸びて降りれるようになります。

上記のような手すりに設置する場合は

このような『ナスカン金具』を引っ掛けます。

手すりに十分な強度がない場合や太くてかけられない場合は、

このようなナスカン金具をかける取付金具(ステー)がある場合もあります。

又、下階の障害物(テナント等のひさし等)をよける為等に

上記のような『ワイヤーロープ式』の避難はしごもあります。

 

 

3.固定式はしご

『タラップ』と言われることもあります。

危険性が高く、最近ではあまり見られなくなってきました。

地下のドライエリアから地上に上る為のはしごとしては最適だと思います。

 

 

 

4.避難ハッチ

数ある避難はしごの中でもダントツで使いやすいと思います。

難点としては、あらかじめハッチ用の開口部を設けなければならず、

基本的には建物の新築時にしか設置ができないことです。

1つ下の階に降りるものが一般的です。

上蓋を開けようとするとチャイルドロック(危険防止ロック)が作動して

安全の為に10cm程度しか開かないようになっています。

上蓋についているこのフックに

こんな金具が引っかかっているので金具をフックから外すと

上蓋と連動して下蓋も開きます。

下の蓋が開いたら、下階に誰も人がいない事を確認してから

『押す』ボタンを手や足で押すと、

はしごが一気に降りるので、

上蓋の手すりに手をかけて一歩ずつゆっくりと降ります。

 

古いタイプはチャイルドロックもなく上の蓋を開けても下蓋が開きません。

このタイプは下蓋を支えているレバーを横にスライドさせると下蓋が開きますので

後は、はしごを支えているレバーを上に引けば

はしごが降りていきます。

 

 

5.緩降機

はしごの中でも一般の方はダントツで使いにくいはしごですが、

降りようとしている階から避難階(1階等)まで一気に避難できますので、

使える状態にさえ準備できれば、安全に避難する事ができます。

4階以上の階で避難ハッチが設置できない場合によく使用されます。

最初に支持金具を組み立てます。

横の突起を手で上に持ち上げます。

1段階上がったらレバーを倒して外に向けます。

レバーを反対方向に倒したら再度、突起を手で持ち2段階目をあげて支持金具の準備はOKです。

壁面に取り付けられている支持金具は蓋を開けて

金具を組み立てます。

最後にストッパーを下にスライドすればOKです。

 

次にロープ。BOXからロープを取り出します。

金属の丸い滑車の一方にリール、もう一方に黒いベルトがついています。

滑車についているカラビナ金具を支持金具の先にかけます。

最後にカナビナ金具のネジを回して金具が抜けないようにします。

こんな感じで取り付けられました。

次のこれが1番大事です。

『リールを先に下に落とす』

緩降機は点検時等に事故があったことがありますが、

『リールを先に落とさなかった』ことが原因の事故が多いです。

リールを先に下に落とさないと、はしごとして使えません。

リールを落としたらベルトを開いて、

脇の下に通します。

最後に自分の前でぎゅっときつくなるように調整したら、

ロープをつかみ建物の外に身を乗り出してから

手を離します。←ココが1番怖い

ロープに身体の重さが加わると滑車のおかげでゆっくりと降りれますので、

そのまま1階に着地できます。身体が建物に当たらないように

手は建物に向けておいた方がいいです。

 

1人が降りると、先に下に落としておいたリールが上がってくると思いますが、

そこにも黒いベルトがありますので、引き続き

シーソーのように連続して次の人が避難できます。

一部のテナントには上記のような指示金具とロープが一緒になっている

『一動作式』の緩降機もあります。

これは使い方が簡単でレバーを手前に引くだけで

使えるようになります。

金具を組み立てたら『引く』とかかれた金具を引くとリールが下に落ちます。

後の使い方は従来の物と同じです。

 

 

 

6.まとめ

いかがでしょうか?

『避難はしご』といっても、これ以外にも様々な種類があり、使い方も色々です。

有事の際にすぐ使えるように、

あらかじめ、設置されている避難はしごの使い方を覚えておくといいと思います。

但し、『火災になったら必ず使わなければいけない』ものではありません。

 

火は上階に向けて早く進行しますので、当然ですが、

下の階が火災であれば使用するのは危険です。

『避難はしご』とは、避難する方法の一として覚えてください。

普段、使い慣れている階段で避難できるようであれば、必ず階段で避難して下さい。

又、隣の部屋とのパーテーションを破って隣に避難するのも方法の一つです。

 

火災の時には何が起こるか分かりませんので、避難する選択肢がたくさんあれば

あるほど安心ですね。

 

 

スタッフD

 

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