新しくテナントさんが入居する事により自動火災報知設備を
建物全体に設置しなければいけなくなってしまった。。。。。
こういったご依頼はよくあります。
では自動火災報知設備の工事とはどこに何を設置するのでしょう?
今回は詳しく説明していきます。
1.設置する器具の種類
設置する器具は様々な種類がありますが、代表的なものを紹介します。
Ⅰ.受信機
全ての器具に電気を送り、器具からの信号を受信する機械です。
自動火災報知設備で1番重要な設備です。
これが無い他の機器は動きません。
Ⅱ.機器収納箱(総合盤)
昔は非常ベル、発信機、表示灯と1個1個単独で設置されていました。
それらの器具を箱に収納してあるものです。
メーカーにより若干言い方が異なります。
各階に1台以上設置されています。
非常ベルが鳴動している時に1番うるさい所です。
非常ベルの止め方はこちらも参考にしてみてください。
Ⅲ.感知器
感知器が反応すると自動的に非常ベルが鳴動します。
自動火災報知設備の名前の由来ですね。
因みに発信機を押すことにより、
手動でも非常ベルは鳴動させる事ができます。
2.どこにどのように工事するのか?
主に上記の3設備を全て配線で繋ぐ必要があります。
通線工事といって自動火災報知設備の工事で一番大変な工事です。
特に感知器は各住戸内の
各お部屋や収納等全てに設置が必要です。
最近は一部で使用できる無線式も開発されていますが、
金額が高いのもあり、正直まだあまり一般的ではありません。(汗
こういう点検口があればラッキーです。
発見した時は内心すごく喜んでいます(笑
住居内の場合はお風呂場の点検口を開けて通線する事が多いです。
又、100φ程度のダウンライトを外して通線する事もあります。
外すと天井に穴が開く器具等は片っ端から外していきます。
これぐらいの細い箇所を何度も何度も通線していきます。
途中心が折れそうになる事も。。。。。
通線工事は知識と経験ですね。。
様々な工具を使用して建物の構造を理解しながら
天井裏がどうなっているのか予想して通線していきます。
3.配線は隠蔽?露出?
もちろん全て隠蔽が理想です。
見た目もいいですし、さくっと隠蔽できると工事も楽です。
ですが、後からの工事となると全て隠蔽はなかなか難しい事が多いです。
上記の写真は隠蔽に成功した所ですがPSが近くにあり
上下の階も通線できました。運がよかったです。
こんな感じで配線だけ出ているのが理想的な隠蔽工事です。
どうしても隠蔽できない場合は配線を露出するしかありません。
通常はモールと呼ばれる部品で配線を隠します。
共用部で露出する場合はPF管等で隠します。
どうしても無理な場合は露出となりますが、
できる限り隠蔽できるように心掛けています。
4.(番外編)受信機を移設したら穴がぽっかり。。。どうする?
受信機が室内に設置されていた物件で共用部の廊下へ
移設して欲しいとのご依頼がありました。
共用部への移設は配線を通線して無事終了しましたが
問題が発生!!
そう、元々設置されていた受信機を外すと
そこにはぽっかりと穴が開いています。
さあ、補修開始です!!
まずは木材をカットして穴に入れてビスで固定して
木下地を作ります。
石膏ボードを穴に合わせてカットして木下地目掛けてビスで固定します。
固定できたらビスの所も含めてキレイに少し大きめにクロスを剥がします。
ここが仕上がりで一番差が出る所。
下地テープを貼った上から専用のパテを塗り込みます。
パテが乾いたら突起物が無くなるように
ヤスリがけします。できるだけ滑らかに!!!
ここをどれだけキレイにできるかで仕上がりに雲泥の差が!
後はクロスを貼って切るだけです。
まあまあキレイに処理できたのでは?
当然、本職のクロス屋さんには到底及びませんが、、
クロスの色が少しだけ違ったのが残念です。
5.まとめ
いかがでしたか?
自動火災報知設備の工事に対するイメージを
少し分かって頂けたでしょうか?
通線工事で配線が通らない時は・・・
本当に・・・心が折れそうになります(泣
でも隠蔽工事がうまくいった時の達成感は半端じゃないですし、
やるからにはキレイに工事をしていきたいです。
今日よりも1年後、1年後よりも2年後と
知識と経験だけでなくいい道具も開発されて
より良くなっていくはずです!!
スタッフD