マンション、アパート等に設置されている
消防設備は消防法で点検及び消防署へ報告することが義務付けられています。
今回は詳しく説明していきます。
目次
1.今までやったことがないのに急に消防署が立入検査にきた。はがきがきた。
消防署は資料等を確認して、連絡をしたり通知を送ったりしています。
建物が古くてデータ無かったりする事もあり、中には今まで連絡が漏れていて、
点検しなければいけないなんて知らなかった。という方も多くいらっしゃいます。
2.誰が実施しなければいけないのか?
消防設備点検及び消防署への報告は建物所有者等に実施する義務があります。
勘違いする方もいますが、消防署が点検をすることはありません。
といっても専門知識や経験がないと実施する事はできないので、
通常は『防災屋』と呼ばれる消防設備専門業者へ点検依頼します。
防災屋は点検を実施したら必ず点検結果報告書に点検結果を纏めます。
その結果を1年に1回又は3年に1回、管轄の消防署へ報告します。
3.報告時期の違いとは?
建物は『特定防火対象物』と『非特定防火対象物』という2種類に分けられており、
特定防火対象物は1年に1回
非特定防火対象物は3年に1回と消防署へ報告する時期に違いがあります。
何やらややこしい名前ですね。
簡単にいうと不特定多数の人が出入りする建物は特定防火対象物(飲食店、物品販売店舗等)
それ以外で、ある程度決まった人しか出入りがない建物は非特定防火対象物です(共同住宅、事務所等)
4.機器点検、総合点検の違いは何?
これもよく聞かれます。
個人的にはあのよく見るパンフレットが分かりにくい気がしますね。。。
結論から言うと『そんなに変わらない事が多い』です。
ややこくなるので『今回は総合点検で次回の6ヶ月後は機器点検です』
と説明していますが、本来の意味は『今回は機器点検・総合点検で次回の6ヶ月後は機器点検です』
が正しいです。
機器点検とは毎回実施する点検項目で感知器を作動させたり、非常ベルを鳴らしたりします。
総合点検とは機器点検で実施しない項目(放水試験、配線の点検等)で1年に1回実施しますが、
機器点検に比べて点検の項目は少ないです。
5.実施しないとどうなる?罰則は?
消防設備の点検及び報告を実施しないと罰則(罰金最高で1億円や拘留等)があり、
消防署は建物の使用を禁止する権限も持っています。
火災が発生すれば消防署、警察等の調査が入り、
日常の点検や維持管理も調査されます。
万が一、死傷者が発生してしまった場合は建物所有者等に罰則だけではなく
建物の維持管理する義務を怠っていたという事で遺族等から
民事裁判等をおこされ、それ以上の賠償金を支払う可能性もあります。
6.新型コロナウイルス感染症が怖い今、消防点検はやらなくてもいい?
新型コロナウイルス感染症は恐ろしい病気です。
皆さんも普段からマスクを着用する、消毒をする等の『予防』をしていると思います。
平成29年度 1,456人
平成30年度 1,427人
これは火災で亡くなられた方です。
新型コロナウイルスと同じように火災も怖いです。
消防設備とは火災が起きた時に、出来る限り被害を最小限にするように
設置されているもので、定期的なメンテナンスは不可欠であり、
点検をする事が火災に対する『予防』となります。
点検には色々なやり方があり、下記のような外部試験機能がある建物は
室内に入らなくても外から点検を実施する事ができます。
7.まとめ
いかがでしょうか?
消防設備とは『使うことが無いほうがいい設備』です。
『保険』と同じだと思います。
新型コロナウイルスが怖い時に室内に入る消防点検に
抵抗がある方もいるかもしれませんが、
新型コロナウイルスと同じように火災も怖いんです。
今はステイホームでご自宅にいる方が多いですよね。
建物とは、『人が使えば使うほど火災の危険性が高まります。』
こんな時だからこそ、点検を実施する事をお勧めします。
実施する場合は、点検業者さんの新型コロナウイルスに対する対策も聞いた上で、
どんな形での点検があるかを相談してみてはいかがでしょうか?
最低限、廊下の消火器は使えるか?非常ベルは鳴るか等、
共用部の点検だけでも実施する事をお勧めします。
スタッフD