MENU

更新情報

ホーム > 更新情報 > 不活性ガス消火設備 その危険性

不活性ガス消火設備 その危険性

2023.08.15

皆さん、こんにちはこんばんは。

異常な暑さが続いてますので熱中症にはお気をつけ下さい。

先日不活性ガス消火設備の点検に行かせて頂きました。

 

不活性ガス消火設備とは電気室や機械式立体駐車場などの空間に不活性ガスやハロゲン化物を噴射することで、窒息効果や化学的変化により消火を行う方式です。消火後の汚損がほとんどないため、コンピューター室や通信施設、実験室などに多く用いられています。

消火のため放出される不活性ガスには、二酸化炭素・窒素・IG-541ガスなどがあり、どの消火剤も空気中の酸素濃度を下げて、火災を消火する仕組みになっており、消火剤の中身は違えど基本的な役割は変わりません。不活性ガス消火設備は建物への損傷を最小限に抑えて消火活動を行うことができる一方で、人体に及ぶ影響が大きい消火方法でもあります。中でも二酸化炭素は、麻酔性があり、一定以上の濃度に達すると人命危険が生じます。

3%の濃度で呼吸困難、頭痛、嘔吐、眩惑、弱い麻酔性、

      聴覚の減退、血圧、脈拍の増加

3%でも結構な症状がでてきますが25%以上になると中枢神経の抑制、昏睡、痙攣、窒息死と言うほぼ助からない状態になっています。

 

二酸化炭素消火設備と比較して危険性が少ないことやコストが低いことからハロゲン化物消火設備が主流となっていましたが近年ハロンガスが成層圏のオゾン層を破壊するとの理由から世界的に製造を中止することとなった為、再び二酸化炭素消火設備が注目を浴びています。(ただハロンの代替薬剤としてアメリカで開発されたオゾン層を破壊しないハロゲン系の薬剤もあるみたいです)

 

起動方法としては自動起動方式と手動方式がありますが基本は手動になります。

 

尚、東京都の場合はイタズラ防止の条例があり自動起動(アンド回路)になっております。

 

二酸化炭素消火設備消火設備の自動起動には、自動火災報知設備の感知器のうち基本的に熱感知器と煙感知器のアンド回路となっています。これは両方が作動したときに消火設備が起動します。

 

手動、自動どちらかで起動したならば20秒以上の遅延装置が働きます。その間「ガスを放出します、直ちに避難してください。(繰り返す)」の音声警報放送があります。大きな対象物ですと遅延時間を25秒や30秒に設定します。

 

尚、令和2年12月から令和3年4月にかけて二酸化炭素消火設備の事故が相次いで発生した為、事故の再発防止を目的に法令が改正されました。(令和5年 4月1日から条例)

★閉止弁の設置    

★建物関係者が維持管理しなければならない事項が追加  

★新たな標識の設置  

★消防設備士等による点検の実施(二酸化炭素消火設備(全域放出方式に限る。))については、建物の延べ床面積に係わらず消防設備士や消防設備点検資格者の有資格者に点検をさせなければならなくなりました。

 

人が亡くなってしまった事は本当に胸が苦しく辛い事ですが法改正をすると言う事はこれ以上犠牲を出さないようにすると言う事ですので私達消防設備士も事故を起こさないようより一層気を引き締めて業務を遂行していきます。

スタッフW

お問い合わせ
CONTACT

メールでのお問い合わせは上記よりお願いします。お電話での受付時間は8:30~17:30(土日祝日を除く)となります。