今回は自動火災報知設備の工事について説明していきます。
消防署から設置するように言われたけど、どんな工事をするの?
工事にはどんな種類があるの?
業者を選ぶ時の注意点は?等々ご説明していきたいと思います。
①交換工事
古い器具から新しい器具に交換する工事です。
交換前
交換中
交換後
②移設工事
古い器具を取外して、配線を移設先まで持っていき再度器具を取り付ける工事です。
設備の種類や大きさによって配線の数は様々ですが、中には、、、
こんな感じで大量の配線があることも。。
外した瞬間にため息が出てきそうです。。(汗
1本1本の配線に意味があるので、間違えないように確認しながらメモしておきます。
確認したら配線を壁の中へ押し込みます。
受信機の交換の時もそうですが、壁に大きく穴が開く事があります。
当然そのままにはできないので、
こんな感じで石膏ボードで隠してから、
下処理をしてクロスを貼る事もあります。
移設先まで配線を延長したら器具を取り付けます。
③増設工事
既存の感知器や盤などから配線を延長して器具付けをする工事です。
こんな感じの点検口があればいいのですが、
無い場合は天井を開口して通線することもあります。
こんな感じで配線だけうまく出せればいいのですが、、
天井裏等に配線が通せない場合はモールと呼ばれる部材で隠します。
④新設工事
新設工事は2種類あります。
建物竣工後に後から工事をするか又は建物竣工時の新築工事かです。
【建物竣工後の後工事】
このように配線等が隠せず露出となる場合もありますが、、
建物の構造等によりうまくいけば後工事でも配線を隠せることは可能です。
配線を通した後に、
通常は先に埋め込んでおくBOXを石膏ボードを切って埋め込みます。
どうでしょうか?新築工事のように配線等すっきりです。
PS(パイプスペース)は配管や配線を通線できる重要な場所です。
ほとんどが既に人が住んでいる所を工事するので大変です。
室内は休みの日に工事をやることが多いです。
【建物竣工時の新築工事】
新築工事の場合はこのように配線を事前に通しておきます。
ボードを貼る前のはこんな感じになっています。
配線を所定の位置に丸めて、ボードが貼ってから配線を出し、
通常はクロスが終わってから器具付けです。
新築工事には業者さんが入る順番があり、
他業者さんの作業が終わらないとできないことも多々あります。
通線工事は断然やりやすいのですが、
頻繁に行って少しずつやらないといけないので大変です。
でも新築はいいですね、仕上がりが断然キレイです。
⑤依頼する時の注意点
まず重要なのは自社で請け負うことが可能かどうかです。
一見、自社でやっているようでも下請けに依頼するようなこともあります。
もちろん、信頼ができアフターサービスがきちんとしている所であれば問題ないですが、
当然、自社で全てできる業者さんの方が余計な中間マージンが発生せず、安くなります。
又、設備は設置してゴールではなく、スタートです。
設置後、半年に1回の消防点検及び定期的な消防署への報告が
法律により義務付けられています。
中には工事しかやっていない業者さんや個人でやっている業者さんもいますが、
誤作動があった時や設備にトラブルがあった時に
きちんと対応してもらえるのかどうかは非常に重要です。
⑥無線式自動火災報知設備
配線が要らない無線式の自動火災報知設備があります。
が、まだまだ価格が高いのと各感知器にバッテリーが必要で定期的に交換しなければ
いけない為、普通の無線式はまだあまり実用的では無いかなと思います。
一部の施設にしか使えませんが、特定小規模施設用自動火災報知設備は
普通の感知器に比べると値段は少し高いですが、配線工事は不要の為
実用的だと思います。
⑦おまけ(導通テスターを作ってみた)
自火報工事でテスターという道具をよく使うのですが、
導通テストの音が小さい為、DIYしてみました。
中身はこんな感じ。すごく簡単な仕組みですが電池、電池ケース、ブザー、
配線、赤色LEDを買ってきて結線しました。
完成!スイッチ部分の穴の粗さが目立ちますね。。。(汗
LEDは穴を開けて固定しましたがいい感じですね。
赤と白導通でLED点灯、黄色と白導通でLED+ブザー鳴動です。
初めてにしてはうまくできたのでは?
⑧まとめ
いかがでしたでしょうか?
自動火災報知設備の工事といっても様々な種類がありますが、
1番大変なのは配線を引く工事です。
設備を全て配線で繋げなければなりません。
工事の価格は業者さんによりかなり開きがあります。
何社か見積もりをとって価格だけではなくその後の対応等も含めて
総合的に判断することをお勧めします。
点検もきちんとやっているか?アフターサービスは?等々
設置した設備は何十年も使っていくものですので、
長く安心して任せられる業者さんにお願いするといいでしょう。
小さすぎる会社だと設置した後連絡が取れない、倒産してしまった等の話はよく聞きます。
設立10年以上、従業員数も10名以上は一つの目安ですが、
できれば設立20年以上、従業員数も20名以上いれば
長くしっかりと業務を続けている証拠ですので安心できると思います。
スタッフD